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病気(ガン)に関するニュース(読売新聞)

メモ

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February 10, 2005

命と○○とどちらが大事か

今朝の新聞の記事(医療ルネサンス)を読んで複雑な気持ちにかられました。大腸がんにかかり、他の病院では「人工肛門」にするしかないと言われた人が、何とか温存はできないか?と探し回り、最終的には温存できたということが書かれているのですが、それまでにまわった病院で看護師に「命と肛門、どっちが大切ですか」とたしなめられたエピソードも書かれています。

妹が某私大付属病院に勤めていたとき、人工肛門の患者さんを何人か見てきたそうですが、当然のことながら自分ではコントロールが利かないので、気づかないうちに漏れてしまったりして、食事のときとか周囲に「うっ」という顔をされたりして本当に大変だったそうです。周囲もつらいけど本人のつらさは言葉では言い尽くせないものがあるでしょう。

命と天秤にかけられたら、ほとんどの人は命を選ぶでしょう。私が入院していた病院は、他の病院では手に負えない状態で紹介されてきた患者さんが多かったので、難しい手術を受ける人・受けた人がたくさんいました。

外科の患者さんは外科の患者さん同士で、入院は同フロアーにまとめられていたので、食堂で一緒になる人はみんな包帯でグルグル巻きだったり、体や頭からチューブで出ていたりで、自分が手術が終わるまでは周りを正視できませんでした。眼球に腫瘍ができて、命と引き換えに片目を失った人や頭を手術した人もいました。

私の入院期間は計12日間でしたが、初日から4日目までは50代の終わり頃?の方(Mさんとします)と同じ部屋でした。部屋の入り口のところに「形成」とあったので、形成外科の患者さんであることはわかりましたが、どこがお悪いのかは初めはわかりませんでした。

最初に挨拶をしてからはあまり口を利くこともなかったのですが、病室にトイレ・シャワー・洗面台がついていたので
それを使うには彼女のベッドの脇をどうしても通らなければならなかったので、初めて使うときに「失礼します。使わせていただきます」と声をかけました。そのとき私は彼女の右側にベッドがあったので、そこから声をかけたのですが
最初返事がありませんでした。(あれ?)と思って、近くを通るときに再度声をかけました。すると彼女は「え?」と言ったあとに「あ、ごめんなさいね。私右耳が聞こえなくて・・・。」と言われました。洗面台を使いたいことを言うと「遠慮しないでどんどん使ってくださいね。シャワーもお好きな時間にどうぞ。」と言われました。

私が顔を洗ったりして一息つくと、Mさんが「失礼だけど、ななこさんはそんなにお元気そうなのにどこがお悪いの?」
と聞かれたので「私は・・・乳がんなんです・・・」と言うとMさんの表情が見る見る曇って、目に涙をためながら「入り口に『乳外』って書いてあったからもしやとは思ったけど、まだお若いのに・・・」と言われて「32です」と言ったら「私の娘と1つ違いだわ」と言って絶句されたあと「実は私もガンなのよ」と言われました。

「私はジカセンガンなのよ。」と。(ジカセンガン?)初めて聞きました。パッと漢字が浮かびませんでした。Mさんは続けて「私、右耳が聞こえないと言ったでしょう?私の顔を見て変だと思わない?」と言われて、初めてMさんと正面から向かい合う格好になり私は(あっ!)と思いました。顔の右半分が、左側と少し違って見えました。「ジカセンガンは耳の近くにできるガンなの。治すのには手術が必要なんだけど、自分の命と引き換え右側の顔面神経を切らなければならなかったわ。」と言われて、ようやく「ジカセンガン=耳下腺ガン」だと思い至りました。最初はK大学病院へ行ってそこでがんであることがわかり、医師に今後の治療方針とかを聞いたそうなのですが、彼女の気持ちが固まる前にどんどん話が進んでいったそうです。がんを取り除かなければいけないことはわかっている。でも右半分の顔面神経を切るなんて・・・と。顔面神経を切るということは、耳が聞こえなくなり、まぶたも常に重くさがってくるので、自分で意識して目を開ける努力をしないとならなくなるのだそうです。また口も半分閉じられた状態になるので、食事をするときには、食べ物を小さく小さく刻んで、ちょっとずつ食べないと食べられなくなるのだそうです。

そのことが受け入れられない彼女は、K大への入院前夜になって「やはり顔面神経は切りたくない。切らなくてもいい方法を探したい」とご主人に泣いて訴え、翌日、本来であれば入院するはずだった日に主治医のところへ行って
その気持ちを伝えたそうです。主治医は「でもあなた、他の人は顔面神経を切ると言っても、病気を治すためだから切りましたよ!」と衝突する形になり、転院することにしたそうです。ご主人は「おまえが切りたくないのなら、何も今すぐに切らなくてもいい。君の納得のいく方法を探そう」と気持ちをわかってくれたそうです。MさんはK大病院の主治医に「先生、もし先生の奥様が私と同じ病気だったら、他の人は顔面神経でも切るんだから、おまえも切れと言えますか?」と詰め寄ったら「わかりません。おそらく言えません。」という返事がかえってきたそうです。

K大学で治療を受けることをやめたMさんは、ネットでいろいろと調べて耳下腺の治療に詳しい医師を探しました。ネットだけでは限界があるので、知り合いのつてを頼ったり、本で調べたりもして、関西のほうにいる優秀な外科医(と言われている医師)に手紙を書いて、その医師の治療を受けようかとも考えたそうです。でも手術が無事に終わったとしてもがんの治療はその後も長期に渡ることが予想されていたので、交通費がかかることも考えてその外科医のもとでの治療は諦め、その外科医に紹介された千葉県内の別の専門医のところへ行き、診察を受けたとのこと。

そこで提示されたのはやはり外科的な手術と、もしくは放射線療法。ただし放射線療法は耳のうしろに放射線をかけるということで、脳に過剰に照射してしまうことになり、かえってそちらの後遺症が出る可能性のほうが高いので
できれば外科手術を受けるほうをお奨めしますと言われたそうです。

彼女は「でもね、自分なりにあがいてみて、そのときには心が決まったの。最初に行ったK病院では『顔面神経だろうと切るのが当たり前』みたいに言われて、そのことが受け入れられなかったけど、最後に行った千葉の病院でK大病院と同じことを勧められたけど、医師の言い方が違っていたのね。結果的には顔面神経を切ることになったけど
自分の中で納得して手術を受けたのよ。」と。

私が「とてもおつらい選択でしたね」と言うと「そうね。何で命と顔面神経を天秤にかけなくちゃならないのかと思って、最初のうちはしょっちゅう泣いていたわね・・・。別に自分の顔は美人でも何でもないけど、こんな顔でも顔面神経を切るのかと思ったら泣けて泣けて仕方なかったわね。私の顔、変でしょう?」「変じゃないですよ。言われるまでわかりませんでしたし、Mさんはおきれいな方だと思いますよ」と言うと「ありがとう」と。実際Mさんは綺麗な方でした。

千葉県内の大学病院でガンの摘出手術を受けたMさんは、その後の治療を私がかかっている病院で受けることにされてそれで入院していたのです。耳下腺ガンを摘出したところを塞ぐため、足の皮膚を移植して傷が目立たないようになる手術を受けられたのでした。

同室だったのはたったの4日間だけでしたが、以前は高校の教員をされていたというだけあって、頭がとてもキレる方だなと感じました。ご主人も素敵な方でおそらく大学教員をされていらっしゃるようでした。ご夫婦なのに適度に敬語を混ぜて会話されているところが微笑ましいなと思ったり・・・。

私の手術前夜、気持ちが高ぶっていたときも、ご自分のこれまでの闘病の経験談とか、とにかくいろいろなことをお話させていただいて心が癒されていったことは今でも忘れません。その後お会いすることもありませんが、お元気にされているといいなぁと思います。

命と何かを天秤にかけるなんて、できれば一生したくない経験だと思います。でも病気になったらそんな究極の選択を突きつけられる人の何と多いことか。私の胸の傷は普通に生活していたら周りの人には気づかれないとは思うけれど、3ヶ月前、私も確かに命と乳房を天秤にかけたのでした。

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Comments

こちらにコメントするのは初めてです、こんばんは。
私も今朝その記事読みました。
「天秤にかける」私も命と左胸を天秤にかけました。
確かに「命とどっちが大事」と迫られたら
「命」と答えるしかない。
でも、もしかしたら・・・他にも選択肢が・・・
って考えるのも当たり前の事ですよね?
私も温存と全摘と凄く悩みました。
データをいくつも見せてもらい、その後の治療も考えて・・・
私は結局「全摘」を選択しましたが
それは「させられた」のではなく「した」のです。
だから後悔はしていません!
患者の立場になって初めて気づく事って沢山ありますよね。
患者さん全員が納得できるオペ・治療が出来たら・・・
なんか、ちょっと話がズレましたかね?
すいませんでした。

○ノリさん

書き込みありがとうございます。
嬉しいです。

治療の選択は難しいものがありますよね。
自分でも選んでいるつもりでも
いつのまにか提示されるままに
流されるように決めそうになってしまうことがあるので
(それじゃだめだ。自分で納得のいく道を選ばなければ。)と思います。

つい最近本屋で「がん治療最前線(?)」という雑誌を立ち読みしてたら
そこには妊娠・出産をするために
化学療法後は(確か)1年間だけホルモン療法を受けて
その後は薬の影響が抜けるのを待つため
「無治療期間」をおいたうえで
出産をされた方の記事が載っていました。
その方は出産後にホルモン療法を再開するようなことが書かれていました。

手術が終わっても化学療法が終わっても
常に命と何かを天秤にかけていかなければならない
この病気の厳しさが改めてわかりました。

そして私にもいつか「無治療」を選択する日が
くるのだろうか?と思いました。
今は目の前の治療をこなしていくだけで
精一杯なので、想像もつきませんが…。


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